募金と署名はお断りしています

もう何年も昔の話ですが、千日前を歩いていたら、小さい西洋人の女の子が寄ってきて、きれいなポストカードのようなものを手渡されました。私がそれを受け取ると、女の子はもう片方の手で募金箱らしきものを出して私の前に突きだしました。

私はその女の子に、「申し訳ないが私は趣旨のよくわからない募金には一切応じないことにしているのです」という旨のことを懇々と説いてあげたのですが、日本語だったのでさすがに理解しかねたようです。ただ「このおっさんカネ出さんな」ということは分かったらしく、私の手にあったポストカードを取りあげて去っていきました。

どういう人たちのどういう募金活動だったのか、今でもわかりませんが、かわいい金髪の女の子が寄ってきて、しかもポストカードまで受け取ってしまったら、断りにくい人も少なからずいるでしょう。

 

これはつい先日の話ですが、休日、自宅近くのスーパーに妻子とともに買い物に行き、スーパーを出たところで、やや年配の男性から、原発のナントカで署名をお願いします、と言われました。

このときも私は「いえ何であれ署名はお断りしていますので」と言って断りましたが、スーパーの周りには何人か、同じように署名用紙をもっている人々がいて、署名に応じている人もいました。家族連れで休日の買い物に来ていて、突然、複数の男性から署名を求められたら、これまた、断りにくいかも知れません。

たぶん、原発を止めよう、と考える方々が署名を集めているのだと思うのですが、私自身は原発でも、飛行機や車でも、科学技術には何らかのリスクを伴うものであり、多数の人の生活の利便性のためには、そのリスクとつき合っていかないといけないと考えています。少なくとも、多数の署名が集まったからといって「じゃあ原発は止めましょう」と言っていいような性質のものでもないと思います。

 

そういう議論はともかくとして、私は基本的に署名活動には応じないことにしています。たとえばこのブログは私の実名で公表していますが、そうである以上、大した内容ではないながら、文章は一字一句、私が考えています。もちろん、弁護士としての本業で文書を作成する場合でもそうです。

そうではなしに、突然、見も知らぬ他人に文書を見せられて、あなたの考えもこれと同じでしょ、だったらサインしてくださいね、と言われても、普通に考えて、そんなものにサインする気にはなれません。

 

かわいい金髪の女の子に迫られても、おじさん達に囲まれても、募金や署名は断れる程度の神経を持っていて良かったな、と私は思っています。

署名といえば、兵庫県加西市で酒酔い運転で子供2人を死なせた男性が、署名運動の結果(かどうか分かりませんが)、自動車運転過失致死罪から、より重罰の危険運転致死罪での起訴に変更されたという記事があったので、それを書こうとしていたのです。今回は完全に雑談で終わってしまいましたが、次回に続く。

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