少しミーハーですが、高橋ジョージと三船美佳の離婚が成立したのを受けて、これを書いています。
報道から聞くところでは、離婚調停(家裁での話合い)では決着がつかず、正式な訴訟になって、訴訟の段階で離婚条件が折り合って、判決に至る前に「和解離婚」になったようです。この経緯自体はよくあることで、私も代理人として何度も経験しています。
調停の段階で話はつかず、訴訟にもつれこんだけど、互いに証拠を出し合って審理を進めていくうち、特に弁護士がついているケースだと「このまま最後までやるとどういう判決が出るか」は大体読めてきます。
そうなれば、それ以上に審理を続けるよりは、改めて訴訟の場で離婚条件を話し合うこともできる。それで折り合いがつけば、裁判所に「こういう内容で離婚する」と確認してもらった上で、籍を抜くことができる。これが和解離婚です。
テレビの芸能ニュースを見ていると、これまで長く裁判をやってきたのが急転直下、解決した理由をあれこれ詮索して、(これまで離婚に反対していた)高橋ジョージ側にとって「決定的に不利になる証拠」が出てきたのではないか、などと言っている人もいましたが、それは考えにくいと思います。
それなりに著名な芸能人を弁護するくらいだから、売れっ子で多忙の弁護士がついていると思うし、そうであれば、決定的な証拠などが存在するのなら、引っ張らずに調停の段階でそれを出しているはずだからです。
三船美佳が離婚理由として挙げていたのが、高橋ジョージの「モラハラ」(モラル・ハラスメント)らしいですが、これは浮気や暴力と違って、もともと「決定的な証拠」など出しにくいものです。
今後、審理が続いて証人尋問になれば、三船美佳が公開の法廷で、高橋ジョージにこんなことやあんなことを言われた、などと証言することになっていたでしょう。
どんな証言が出ていたかは、この裁判が終わってしまったので知りようもありません。ただ一般論として、モラハラの成否が争われる裁判では、夫側に対して「奥さんにそんなひどいこと言ってたの?」と思うこともある反面、妻側に対しても「その程度の発言でモラハラと思ってたの?」感じることも多いです。
これをテレビに出てる芸能人がやり合うわけですから、双方にとってイメージダウンになっていたでしょう。そういう意味で、証人尋問を行なうかどうかという段階で、お互いの合理的な判断として和解離婚したのは適切だったように思います。
(長女の親権等についても触れたいことがあるので、次回に続きます)