ハワイ道中記2015 その5(完)

今回でいちおう道中記も締めくくりです。
ハワイに出かける前は、ちょっとでも話せるよう英語を勉強していこうと心がけるのですが、実際にはきちんと勉強しないまま、最後は「度胸で何とかなる」と思って出かけるのが、通年のことになっています。今年もそうです。勉強としてはせいぜい、ブルース・リーの「燃えよドラゴン」を、英語音声、字幕なしで見直したくらいでした。

それでも今回は、極力、こちらから話しかけてみる、ということを心がけておりました。
行き帰りの飛行機の中では、息子と共に機体の先頭へ行き「Hello!Nice meet you」と言って操縦席に入っていきました(デルタ航空やハワイアン航空では、出発前のコックピットに入れてくれて、写真まで撮ってくれる。日本の航空会社はどうか知りません)。

で、帰りの飛行機の中で。
機内食の夕食が出てくる時間に息子は寝てしまっていて、食べそびれてしまいました。後から起きてきて「お腹が減った」というので、子供用の夕食メニューを残しておいてくれているだろうかと、クルーのところに行きました。機内には日本人のクルーもいたのですが、上記のとおり、極力英語で話しかける一貫として、西洋人の男性クルーに話しかけようとしました。
何と言ったらいいのかな、と一瞬思ったのですが、とっさに私の頭の中に、「Have some tea?」という台詞が浮かび上がりました。
これは「燃えよドラゴン」の冒頭で、ブルース・リーが少林寺にやってきたアメリカ人(諜報機関の役人で、ブルース・リーに潜入捜査を依頼しに来た)に対して言う台詞です。
私はそのクルーに「Have some meal, For my child? He awaked.」と言いました。
「私の子供に何か食事はありますか。彼は起きました」と言ったつもりです。クルーは、「Oh,OK!」と言って、おそらく取りおいてくれていた、子供用のメニューを出してくれました。

映画のおかげでとっさに台詞が出てきた、一瞬得意になりましたが、ちょっと考えてみればかなり間違っていると気付き、機内で一人恥じ入りました。
ブルース・リーが「Have some tea?」と言ったのは、客人に茶を勧めているのですから、訳すれば「お茶はいかがですか」になります。Haveという単語に引きずられて、meal(食事)はまだありますか?という意味で聞いたつもりが、実際には「私の子供に食事はいかがですか?」と聞いていたことになります。
しかもこの話を書こうと思っていま調べたら、awake(目覚める)の過去形はawakedではなくawokeでした。
かなり珍妙な英語を得意気な顔でクルーに話していたことになるのですが、クルーのほうでも他に意味の取りようもないし、理解してくれたのでしょう。

映画で英語を学ぶのも悪くないですが、きちんと系統だてた勉強ではないという限界か、似たような台詞があると意味は違うのにそれに飛びついてしまうことがある、というわけです。
食事を持ってきてもらう、という会話の目的はいちおう果たしたわけですが、来年はもっとスマートな会話ができるよう、この恥ずかしい経験を忘れず、一層精進しようと思いました。

そしてデルタ機が関西空港に無事着陸し、ハワイへの旅は終わりました。

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