ハワイにて思ったことなど 3

ずいぶん時間が経って時期外れになりましたが、ハワイ旅行雑感の続き。

 

旅行期間中に、いちどは現地のバーで飲んでみたいと思っていたので、ある夜、子供が寝てから、一人でホテルのバーに乗り込みました。

シェラトンワイキキの「RumFire(ラムファイア)」というバーで、バーと言っても日本のホテルみたいに蝶ネクタイ締めたバーテンダーがいるわけではなく、ワイキキビーチに面した開放的なホールで、大音響の音楽をバックに、たくさんの人(たぶん100人はいる)がそれぞれのテーブルを囲んでワイワイと酒を飲んでいました。

私はやや圧倒されながらも、空いている小さいテーブル席を一つ見つけて、座っておきました。そのうち、白人の女性店員が気付いてくれたので、その店お勧めの(と、テーブルのメニューに書いてあった)ラムをオーダーしました。出てきたのはショットグラスに入ったストレートでした。量的にはシングルなので、すぐ飲んでしまいます。

 

2杯目は、私の好きなマティーニを、と思い、メニュー表には書いてないのですが、ホテルのバーでマティーニを作れないはずはなかろう、ということで、先ほどの女性店員に言ってみると、「ジン?ウォッカ?」と聞いてきました(マティーニのベースにするお酒を聞いている)。

ジン、と答えると、その女性はさらに早口で何か言い出したので一瞬面喰いましたが、「ボンベイ・サファイア」というのが聞き取れたので、ジンの銘柄を聞いているのだと思い、「ゴードン」と答えました(ちなみにゴードンを選んだのは、ジンの銘柄のうち発音が一番簡単と思ったから)。

すると女性店員は申し訳なさそうに目をしかめたので(つまりゴードンは置いていない)、次に発音が簡単そうな「ビーフィーター」と答えると、女性店員はうなずきました。

引き続いて、ベルモットの銘柄は何か、ジンとベルモットの比率をどうするか、ステアかシェイクか…と、あれこれ聞かれると思って身構えましたが、女性はそれだけ聞くと奥に引っ込んだので、ホッとしました。

 

その女性店員は、マティーニを出したあと、忙しく店内を行き来しながらも、私の前を通り過ぎるときには何度かこっちを見て「You,OK?」と気遣ってくれていました。北新地や銀座のバーで強い酒には飲みなれた私でも、こういう店で周りから見れば、あやしげなアジア人がカッコつけて強い酒を飲んでいるなと思われたのでしょう。

ちなみに店内の客は見る限りみな白人でした。日本人は、ホテルにはたくさん泊まっているはずなのですが、ここでは見かけませんでした。一瞬だけ、日本語を話す女性の4人グループが店内に現れましたが、どうしてよいかわからなかったのか、何も飲まず帰っていきました。

幸い私は、酒という世界共通の言語を持っていたので、こういう世界を垣間見ることができたのであって、どんなことでも、知っておいて損はしないものだなと思いました。

次回、ハワイ旅行記完結編。

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