「コンプガチャ」 返金請求は認められるか 1

「コンプガチャ」という見慣れない用語が各紙の見出しに出ています。

これはたぶん「コンプリート・ガチャガチャ」の略です。コンプリートは完成させるという意味で、ガチャはガチャガチャ(またはガチャポン。昔からある、お金を入れて取っ手を回すとカプセルに入ったオモチャが出てくるもの)です。

携帯サイトで遊ぶゲームで、ガチャガチャを回すようにして有料のクジを引くとアイテムがもらえる、そして所定のアイテムが揃うと、より強力でレアなアイテムが完成する、というのがコンプガチャです。アイテムほしさに多額のお金をつぎ込んでしまうことが少し前から問題になっていました。

 

消費者庁は、コンプガチャの仕組みが景品表示法に違反する疑いがあるということで、近くその見解を公表する予定である、などと言っているようです(日経8日、9日ほか)。

景品表示法(正式名称は「不当景品及び不当表示防止法)とは、不当な方法で顧客を誘引するような表示をすることを禁じる法律です。

典型的には、養殖のウナギなのにパックに「天然」と表示して売るとか、もともと1万円で販売しているものに「2万円のところを半額の1万円!」などと広告を出すとか、そうした行為が禁じられています。

コンプガチャが、景品表示法のどの条文にどのように違反しているかという点について、現時点で消費者庁の見解は明らかにされていないようですが、滅多に揃わないアイテムで利用者をあおるというのが、一種の「不当な顧客の誘引」にあたるということなのでしょう。

 

さて、もし消費者庁が明確に「コンプガチャのシステムは景品表示法に反し、違法である」と言ったら、すでにコンプガチャで多額のお金を使った人は、そのお金を返してもらえることになるのでしょうか?

違法なことをして稼いだカネは、当然、もとの人に返せと言えるはずだ、と思う方もおられるかも知れません。もしそうだとすれば、私も嬉しいです。私自身はコンプガチャにお金を使ったことはありませんが、それで損をした人の代理人として返金の請求を行なうことになりそうです。

かつて一部の弁護士や司法書士が、サラ金に対する過払い金の返還請求を勧めるテレビCMを派手に出していましたが、今回はウチも「コンプガチャの返金請求は南堀江法律事務所へ!」などと広告を打ってみようかと思っています。CMのイメージキャラクターには吉本新喜劇のやなぎ浩二さんに出ていただき、「カネを返すとか返さんとか、そら芸者のときに言うことやがな」と言ってもらいたいです。

というのは冗談ですが、私としては、コンプガチャが違法だと宣言されても、カネを返せという請求は認められないと考えています。

その点の説明は次回に続く。

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