いま「維新」がうまくいかない理由 続き

前回の続き。

日本維新の会を典型に、やたら「維新」という言葉が好きの人の行動の特徴としては、①従来の制度や機構を潰せば潰すほど良いと思っていること、それから、②従来の組織のトップを入れ替えて、特に民間から人を登用したがること、が挙げられると思います。

そしてそれは、前回書いたとおり、明治維新の一側面だけを見て、それを無理に現代にあてはめようとする勘違いから来ると思います。

大阪では、水道事業の統合と、市営地下鉄の民営化が、上記①にあたります。水道のほうは議会で否決され、地下鉄は継続審議となりました。ここでも度々触れている市立幼稚園の民営化も、①にあたりますが、これは後で触れます。

 

それから、大阪市内24区の公募区長や、公立小中学校の校長の民間からの登用は、上記の②にあたります。公募区長の一人は1年もしないうちによく分からない理由でクビになり、校長は3か月で辞めてしまったことは、多くの方がご存じのとおりで、早いうちから失敗続きと言えます。

これも前回書いたとおりで、身分や階級が270年に渡り固定していた幕末のころならともかく、能力主義が浸透している現代では、公募したところで由利公正みたいに優秀な人が来るとは思えません。

 

そして、また幼稚園民営化の話ですみませんが、今、大阪市で現在進行中の問題でもあるので、もう少しだけ触れます。

橋下市長と公募区長らが熱心に進めようとしていた市立幼稚園の民営化は、当初「平成26年度をもって全廃」とされていたのが、少しずつ、トーンダウンしています。

今、どうなっているかというと、私たちが伝え聞くところでは、各区の幼稚園のうち、最低1つは民営化するようにと、橋下市長が各区長に指示を出したそうです。私の住む西区には5つの市立幼稚園があり、そのうち1つが民営化の対象となるということです。

 

ちょうど昨日のニュースなどでも、橋下市長の方針として、平成27年度以降、3期に分けて徐々に民営化していくことにした、と報道されました。

これも私たちがすでに伝え聞いていたとおりで、「1期目」というのが、各区最低1つの幼稚園を民営化するということです。2期目以降はというと、どうせ実現できなくなってウヤムヤにするつもりでしょう。

 

この顛末に、「従来の制度や機構を潰せば潰すほど良い」という、維新好きの連中の勘違いが如実にあらわれています。

市立幼稚園を民営化する意義やメリットが本当にあるのなら、市民の前や市議会の場で堂々とそれを主張し、全面的な民営化を進めていけば良いのです。意義もメリットもないのなら、民営化は一切ナシにすればいい。選択肢はそのいずれかしかないはずです。

まずは一部だけ廃止、などというのは、市長や維新の会の意地とメンツだけからくる、姑息な手段です。しかし彼らは、潰せば潰すほど良い、と考えているわけですから、「5つの幼稚園を潰せればベストだが、それができないなら1つだけでも潰せればベターだ」、と考えます。そこには民営化の大義など何もありません。

これが大阪で行われようとしている「維新」です。嗤うべき維新です。

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