弁護士を最大限に活用する2つのルール 2

前回の続き。

弁護士と相談して成果を挙げるために重要なのは「いま、何が起こっているのかをまず伝えること」だが、意外にそうしてくれない人が多い、と書きました。さらに付け加えますが、弁護士との相談に限らず、これは多くの場面で当然重要なことであるはずです。

 

たとえば、誰しも医者にかかったことはあると思いますが、その際には、いま自分の体に何が起こっているかということを伝えるはずです。熱がある、せきが出る、胃が痛い、などです。

医師の診察に際して、たとえば「この冬は寒暖の差が激しく、昨今の不況と円高で我が社も大変でサービス残業が多くて、肉体的・心理的疲労は絶えることなく…」などと、病気になったいきさつから話し始める人は、たぶんいないと思います。

痛いところがあれば伝える、患部を見せる、医師に対しては誰もがそうすると思います。

訴えられた人がなかなか弁護士に訴状を見せようとしない、と前回書きましたが、弁護士も弁護のプロです。医師が患者の患部を極めて冷静に事務的に見るのと同じで、訴状を見た弁護士が相談者に対する偏見を持つことはありえません。

 

料理屋で食事するとか、バーでお酒を飲むとかという状況でも、同じようなことが言えます。

いまの自分の状態と、だからどういうものを欲しいということを、最初に、端的に明確に伝えたほうが、間違いなく、良いサービスを受けられる。

「お腹がすいているから、しっかりした肉料理が食べたい」とか、「のどが渇いているから、さっぱりしたカクテルを飲みたい」といった具合です。

このとき、「今日の私はどれくらい忙しくて、これだけの仕事をこなしてきて…」などと、腹が減るに至ったいきさつを延々語る人は、あまりいないでしょう。まあ確かにたまにはいますが、注文するでもなく店主をつかまえてダラダラ話し続けるような人は決して、良い客とは見なされないように思います。

 

弁護士、医師、料理屋とバーを同列に論じるのは乱暴かも知れませんが、何らかのサービスを受けようとするときに、自分の状況と自分の希望を端的に伝えることは、対人関係における基本であると思うのです。まずはそれだけ伝えておいて、あとの細々した話は、聞かれてから答えればよいのです。

 

ということで、2つめの「自分から話をするのでなく、弁護士の問いに答えること」という話に進みます。続く。

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