DNA鑑定と父子の関係 1

芸能ニュースネタではありますが、ちょっと興味深い話。

大沢樹生と喜多嶋舞との間に出生したと思われた男子が、DNA鑑定の結果、実は大沢樹生の子ではなかったと判明したそうです。

 

喜多嶋舞はわかっていたのだろうし、それを隠していたのもどうかと思います。大沢樹生も、かわいそうな気がするけど、なぜ今になってDNA鑑定などして、その結果を公表したのか、よくわかりません。

もちろん、大沢樹生が、直ちに親子の縁を切って、だましていた喜多嶋舞に慰謝料を請求します、と言うのなら筋は通っているけど、父としての気持ちは急には変わらない、みたいな煮え切らないことを言っていて、それなら最初から鑑定などすべきでないと感じます。

 

この2人の関係は、ウィキペディア情報によると、平成8年にいわゆる「できちゃった結婚」をし、平成17年に離婚。その際、子供の親権は喜多嶋舞が取りましたが、平成19年には大沢樹生が親権者となったとのことです。

ちなみに、協議離婚の際、親権者は夫婦の協議で決まりますが、その後、親権者を変更することもできます。ただし、変更することについての家庭裁判所の許可が必要です(民法819条)。ですから許可を得た上での親権者の変更だったのでしょう。

 

その後、大沢樹生は、自分と子供のDNA鑑定をしたところ、DNAからして親子関係が存在する確率は0%との結果が出ました。

なぜ鑑定などしようと思ったのか、また、本当の父親は誰なのか、そのへんは私は興味はないので、芸能雑誌に譲るとして、法的なところを検討したいと思います。

 

DNA鑑定は、専門の業者に頼めばやってくれます。

私も、10年ほど前、ある男性依頼者からの相談で「うちの子は絶対に俺の子じゃない、嫁が浮気して生んだ子だ」というので、親子関係の不存在を確認するための調停を家庭裁判所に申し立て、その過程で専門業者に鑑定してもらったことがあります。鑑定費用に20~30万円かかったと記憶していますが、いまはもう少し安くなったのでしょうか。

その結果はといいますと、大沢樹生の一件とは逆で、「親子である確率は99.999%」という結果が出ました。

「100%じゃないんですか?」と鑑定業者の人に聞いたら、「父親(男性依頼者)と全く同じ型のDNAを持つ人が、世界のどこかに存在する可能性があるので、科学的には100%と言い切ることはできません。100%の鑑定結果を出そうと思ったら、世界中の男性すべてのDNAを調べる必要があります」と言われました。

その男性依頼者は、鑑定結果に納得したのか、調停を取り下げました。たぶん今は奥さんお子さんと仲良く暮らしているはずです。

 

大沢樹生の「0%」という結果は、「この父のDNA型からこの子のDNA型があらわれるはずがない」ということで、これはたぶん、科学的に言い切れることなのでしょう。

寄り道が多くて長くなってしまったので、次回に続く。