今後も法律相談シリーズにお付き合いください

昨年末ころから、ブログのテーマとして法律相談シリーズが増えておりまして、時事問題ネタを期待いただいている方がおられましたら、そっちのほうは怠りがちですみません。もしリクエストがありましたら、極力書きますのでお寄せください。

今後も、当事務所の業務案内も兼ねて、私(山内)の得意分野の法律相談をシリーズ化して書いていくつもりです。中には、読者の方々になじみのないテーマもあるかと思いますが、ご了承願います。

 

今さらながらの話ですが、正しい法律知識は本当に必要なことであると、常々思います。

たとえば、最近、未公開株や社債を買えば儲かる、といった類いの話に騙されて高額のお金を預けてしまったという話が、新聞などでも報道されています。

この手の詐欺が増えた理由の一つは、前回のテーマに書いた先物取引と関連しています。もちろん健全な業者も少なくないと思いますが、違法すれすれ(または違法そのもの)の先物業者は最近の法改正で淘汰され、あぶれた社員らが、その手の詐欺に関わっていることが推測されるのです。

 

それから、インターネットの普及によって、法律問題に言及するサイトも増えて、それはそれで望ましいとは思うのですが、内容的には玉石混淆です。無責任なことを書き散らしているだけとしか思えないものも散見される。

 

無責任に「相談」を請け負って話をややこしくする人も多い。

当事務所の依頼者にもいますが、たとえば、多額の負債を抱えて、その整理のために弁護士を代理人につけて破産や民事再生を申し立てることが考えられる場合に、その人の「ブレイン」を自称する人が「俺に任せておけば債権者とうまく話をつけてやる」などと言って出てきて、余計にこじらせてしまったということも、何度か経験しました。

あと、離婚問題などで、離婚カウンセラーとか自称する人がいますが、その手の知識が豊富だと自認する人が、当事者にあれこれ誤った知識をふきこんで、事態をややこしくさせるということも経験しています。

 

私に限らず、弁護士は、破産でも離婚でも未公開株詐欺でも、出るところに出て、一緒に最後まで戦うことができる、という存在です。他にそういう業種は存在しません。

債務整理の自称ブレインや離婚カウンセラーなどは、自分たちは決して表に出てきません。裏であれこれ言うだけです。

でも弁護士は自分の顔も名前も所在もさらして、紛争当事者の身代わりになります。預かった事件に最後まで責任を持っています。たまに紛争の相手方に殺される弁護士もいます。大げさな言い方ですが、弁護士として事件を預かった以上は命がけです。

 

そんなふうにして、依頼者とともに悩んだり戦ったりしてきた話を、今後も思いつき次第、ちょくちょく書くと思います。ご興味のある範囲でお付き合いください。

弁護士を最大限に活用する2つのルール 4(完)

弁護士を最大限に活用する2つのルール、と大げさなタイトルで3回に渡って述べたまま、更新が滞っていました。いつもながら更新頻度にムラがあってすみません。

1月前半は、正月休みに書きためていたものがあったので、いずれも大したことない内容ながら次々更新しましたが、今後はまた、ゆっくりした更新になると思われます。

 

弁護士と効率的に相談し、最大の効果をあげるための方法としては、

1つめは、いま、何が起こっているかをまず伝えること、そしてできれば、どうしたいかを伝えること、

2つめは、自分から話をするのでなく、弁護士の問いに答えること、そして当然ながら、恥ずかしいことでも何でも、自身の状況を正直に答えること、

こういったことを述べました。

 

もちろん、優れた弁護士であれば、依頼者がどんなに舞い上がっていて、取りとめのない話をしてしまっても、依頼者をなだめつつ的確な質問をして、必要な事項を聴き取ることができるでしょう。私もそうあるべく、日々の相談業務の中で努力しているつもりです。

相談にくる人は法律や裁判については素人だし、トラブルを抱えて慌ててやってくるわけですから、弁護士が求める情報をすぐに伝えられないのは当然です。依頼者から的確な聴取ができなかったり、ウソをつかれたりするのは、弁護士の聴き取り能力のなさや、弁護士が依頼者と信頼関係を築けていないためでもあるでしょう。自戒を込めて、そう思います。

 

とはいえ、弁護士に相談に来た以上は、目の前のその弁護士のことを信頼して、すべて委ねるつもりで任せるほうが、良い結果が得られると思います。

弁護士にも、能力の差や、人間的に合う合わないはあると思いますが、たとえ最低ラインの弁護士であったとしても、いちおうは司法試験をくぐりぬけて、司法研修所という養成機関で学んできたプロです。ですから、法律や裁判のことにかけては、素人とは隔絶した知識と実力を持っています。

 

幸い、最近は弁護士の数も増え、法律事務所のホームページなども多くなり、相談者が弁護士を選べるような状況になってきていると思います。いったん選んだら、その弁護士を信用して、上記の2つのルールにそって、相談ごとを話してみてください。きっと、相談して良かったと思える結果が得られるのではないかと思います。

 

まとまりのない文章のまま、このシリーズを終わります。