押尾学の刑事裁判に決着

当ブログでかつて触れたけど、この度の震災以降はもうどうでもよくなった感のある話はいくつもあります。

その筆頭は沢尻エリカが離婚するしないといった話で、今や多くの人にとって、どうでもいいか、またはそもそも思い出しもしない話題となっているでしょう。
海老蔵が舞台に復帰すると言われても、まあ、好きな人が見に行くんだからそれでいいじゃないの、と思います。

同じく芸能がらみの話題としては、押尾学が懲役2年半の実刑判決を受けました(東京高裁、18日)。これは、刑事裁判としてもやや注目に値する部分を含んでいるし、何より、人がひとり亡くなっている事件でもあるので、この段階で整理しておきます。

すでにここでも何度か触れましたが、押尾学は「保護責任者遺棄致死罪」で起訴されました。問題点を単純化して書くと、以下の2つです。

1、押尾学は、死亡した女性を保護してやるべき義務があったか。女性は自分の意思で合成麻薬を飲んだのであって、助けてやる義務はなかったのではないか。
2、押尾学が、その女性を部屋に遺棄(放置)したせいで女性が死亡したといえるか。もし押尾学がすぐに救急車を呼ぶなどしても、助からなかったのではないか。

東京地裁は、1の点では押尾学に保護すべき義務を認め、2の点では、救急車を呼んでも助かったとまでは証明されていないから、死亡したことまでは責任を問えない、とした。
結論として、「保護責任者遺棄罪」(「致死」の部分が削られた)の成立を認め、懲役2年半とした。

単純に勝ち負けのみで書くと、有罪が認められた部分は検察の勝ち、「致死」の部分が削られたのは押尾学の勝ち、ということになります。

押尾学は「保護責任者遺棄罪」すら成立しないとして高裁へ控訴しました。検察としても当然、「致死」まで認められるべきだと控訴してくると思ったら、検察側は控訴しませんでした。検察側が控訴しなかった理由は当事者でないので存じませんが、「救急車を呼んでいたら救命できた」ということを医学的に立証するのが難しかったのでしょう。

そのため高裁の判断は、「保護責任者遺棄罪」か「無罪」に絞られることとなりました。
結論としては、押尾学の控訴に見るべき理由がなく、高裁は地裁の判断そのままを受け入れました。
押尾学が上告したため、この事件は最高裁で判断されることになりますが、判断が覆る可能性は極めて低いと思われます。

ということで、この問題の考察は以上です。
亡くなられた女性のご冥福を祈ります。そして、りあむ君の幸せな将来を祈ります。