学校校歌は時代と共に

運動会のシーズンです。私ごとながら、息子は小学校の運動会の徒競走では1等賞になり、なかなかの活躍をしておりました。さて今回は全くの雑談のつもりで書いています。

先日の運動会で児童たちが歌っていた校歌のフレーズが、心に残っています。
校歌の結びが、

「規律正しく知を磨き 徳を治めて身を鍛え 進み行く世の文明に 遅れぬ人と生い立たん」

とあります。
少し気負った感じもしますが、個人的には好ましいと思っています。
大阪市西区の某小学校なのですが、昨年で開校140周年だったので、明治7年(1874年)の開校ということになります。
いかにも、時代が明治に変わった直後の歌という感じです。国民あげて国力の増進を目指し、子供たちも知徳体の錬成に励んでいた、というイメージがわいてきます。

一方、私自身の小学生時代は、実家のある大阪市東成区の某公立小学校に通っていました。その校歌の出だしは今もよく覚えていますが、

「今日の力は今日出して 明日の力は明日出せば 命は常に輝いて 湧き立つ知恵に 澄み切るまなこ」

というものでした。
イメージ的には、そんなに気負いを感じなくて、いかにもマイペースでがんばりながら目を輝かせている子供たちが思い浮かびます。
この小学校は、ウィキペディアで見てみると、昭和6年(1931年)の開校です。まだ、戦争で世の中が暗くなる前のことで、大正デモクラシーがまだ衰えきっていなかった時代の、明るく進取に富んだ時代の息吹をうかがわせます。

学校の校歌もその時代の背景を反映しながら、その時々のいろんな価値観が盛り込まれているのだな、と感じた次第です。
ただ、ごく個人的な感想を言いますと、私自身は小学生時代に、自分で自分たち児童のことを「澄み切るまなこ」などと歌うのは少し気恥ずかしい気がしていました。
いかにも明治風の気負った古い言い回しであるとはいえ、まだ「進み行く世の文明に 遅れぬ人と生い立たん」と歌うほうが、自分自身にとって謙虚な気がしますし、学校という教育機関の本来のあり方を正面から言い切っているあたりが、気に入っています。

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