ハワイ道中記2015 その1

このところ、法律問題に関する記事をほとんど書いていないままですが、今年も、夏の家族とのハワイ旅行の道中記と、いろいろ感じたことなどを書こうとしております。

この3年ほど、8月下旬に1週間ほどの休みをいただいております。 出発日も昼すぎまで事務所で仕事を片付けていたのですが(フライトが夜の出発ため)、そのとき、ワイキキビーチが大雨の影響で下水が海に流れ込み遊泳禁止になった、というネットニュースに接しました。 幸先の悪い話だなと思って、出発しました。

しかし、到着初日のワイキキの海は「言われてみればちょっと濁ってるかな」という程度で、普通に人が泳いでいました。私と息子も海に入りました。 滞在2日目に気づいたのですが、やはりワイキキ当局は遊泳を規制していたようで、ホテルからビーチに向かう通用門に、英語と日本語でそういう注意書きが書かれていました。

もっとも、誰かがビーチに出動して遊泳をやめさせるようなこともありませんでした。 当局として一応規制はするけど、泳ぐかどうかは自己責任、海の様子を見て各自判断せよ、という、アメリカ的な考え方なのでしょう。この規制、その後どうなったか知りませんが、3日目には貼り紙がなくなっていました。

今回の旅行では現地で合流した懇意の方(日本人の知人)がいて、車でオアフ島の北のノースショアに連れていってもらいました。その海岸に、ジャンプ・ロックという有名な大岩があり、そこから海に飛び込む人を眺めました。 これ、間違えると死んでもおかしくない断崖絶壁なのですが、人がどんどん飛び込んでいました(ちなみに私たちはその日はドライブが主目的だったので、遠くで眺めただけです)。

これも現地の人は皆、自己責任ということで飛び込んでいるのでしょう。 日本の海だと、何か事故があるときっと、海を管理する都道府県の責任だ、ということになって、そうならないよう危ないところは柵が張られ立入禁止になるでしょう。

ここで私は、かつて小沢一郎が政治家として注目されていたころに書いた「日本改造計画」(講談社、平成5年)を思い出します。 この本の出だしは(私は読んでないのですが)、小沢一郎がアメリカでグランドキャニオンを見て、柵などの安全措置を一切していないことに感動した、日本ではこうはいかない、という話から始まるのだそうです。 そして小沢一郎は、日本社会においてももっと、規制緩和、自己責任、自由競争という考え方を押し広げていくべきだ、という論理を展開します。

最近、この本は小沢一郎が書いたのではなく、複数の学者(小泉内閣のとき大臣だった竹中平蔵とか、政府の諮問委員をやってた伊藤元重とか)がゴーストライターとして書いたことが明らかにされましたが、これらの学者はその後、政界や学界でも主流の地位を占め続けたので、「日本改造計画」に書かれたことはそのまま、近年の日本の政策に反映しているはずです。

…いつもハワイと話がずれていきますが、この夏ハワイで見た光景を踏まえて、そういった話を続けます。

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