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弁護士を目指す方たちへ

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■ その2【司法試験の勉強法について】
1.勉強方法についての総論
2.基本書による勉強の重要性


その2 司法試験の勉強法について

 司法試験予備校の講師をやってる関係上、司法試験の勉強法についてコメントを求められることが多いのですが、各所でインタビューに答えたことを以下にまとめてみました。
 まあ、特に変わったことは言ってないですけど、勉強法なんてそんなもんです。基本重視で、オーソドックスにやるのが一番。


1.勉強方法についての総論

 予備校でのライブ講義を始めるにあたって、インタビューに答えた内容の要約です。

 試験合格の秘訣は、実は極めて単純なものなんです。どれか一つ、自分の足場となるべき教科書を一つ決めて、それを徹底的に読み込んでマスターすること。それと同時に過去に出題された問題(過去問)を繰り返し解いて、おぼえこんでしまうくらいにすること、それだけのことなんです。
 よくあるのは、一つの教科書を読んでみて分からないからと言ってすぐ別の教科書に手を出すこと。それだと結局どれも身につかなくなってしまう。とにかく、そんなに詳しいものでなくてもよいから、ある程度の水準と分量のある教科書を自分の基本書と決めて、徹底的にマスターして欲しい。それなりの水準の教科書なら、丁寧に読みさえすれば、司法試験に出てくるような問題はたいていはどこかに書かれてある。教科書でカバーしきれないような最新の判例・学説の知識とか、試験委員対策とかは、まず基本書を頭にいれて自分の基礎をしっかり築いてからにしてほしい。

 だから、司法試験合格のためには、何か特殊な方法論があるわけじゃなくて、基本書と過去問の繰り返しといってもいいくらいなんですね。択一試験なら、単純に解くだけではダメで、基本書のどの部分がどのような形で聞かれているか、常にフィードバックを心掛けることが重要です。
 論文試験だって、緻密な論証が必要だとか、自分の見解を示さないといけないとか信じられているけど、本当は、その論点について判例や学説はどのように言っているか、それらの判例・学説を使うことでどのような解決ができるかということを示せれば充分なんです。論点ごとの理由付けは、詳しいものが要求されているわけではなく、一般的な教科書に載っているレベルのごくあっさりしたものでいいんです。

 これらの勉強は、単純なことなのですが、それだけに単調で大変な作業でもあるんです。全科目やるのはかなりの分量になるし、特に初学者だとどこをどう読んでいいのか分からなくて、効率の悪い勉強に陥りがちです。その対策として、私の講義を利用してもらえれば、と思います(このあたり宣伝)。遠方の方は、それぞれのやり方(地元の予備校、テープ聴講など)で勉強を進めていってください。

 司法試験受験生である以上、司法試験合格を至上の命題として日々勉強にがんばってほしいと思います。でも、せっかくなら、その日々を可能な限り楽しく過ごしてほしいです。特に、ライブ(生)講義を受講する方にとっては、講師と各受講生が一つの時を共有して勉強していくわけだから、その場を大切にして、その場を通じて多くの友達を作ってほしい。特に、基礎講座時代の友達は、受験時代を通じて、さらに合格後も続く付き合いができます。そういう友達がいるというのは、わからないところを教えあえるというのはもちろん、一緒にがんばる同志がいるということで、精神的な支えになるに違いありません。
2.基本書による勉強の重要性

 別のインタビューで、基本書による勉強の重要性について答えたものです。内容は、上記とかなり重なりますが。

 私は以前、司法書士事務所に勤めていた関係で、司法書士や宅建など、いくつかの資格を持っています。それでよく私は人から「どんな風に勉強したらそんなに試験に受かるんですか?」と聞かれるんです。しかし、私はその答えにいつも困ってしまうのですが、勉強方法に何ら特別なものがあるわけではありません。テキストと過去問集を買ってきて、それを繰り返すだけだったんです。
 司法試験も、基本的にはそれと同じで、テキストを1冊決めてしっかり読んで、それで過去問をやってみる、テキストと過去問の繰り返しで実力があがっていく、ということです。

 ただ司法試験が他の法律系の各種資格試験と違うのは、応用力が試されるということでしょう。他の試験なら、とにかくテキストを力任せで暗記してしまえばおそらく受かります。しかし司法試験においては、テキストの字面を暗記するだけではダメで、そこから自分で考えることが必要になってきます。
 もっとも、そこで間違わないでほしいのは、自分で考えると言っても、基本となる知識をしっかり習得して、それを踏まえて問題を解決するということであって、それを抜きにして自分の頭で1からすべて考えたり、自分なりの学説を書かなければいけないということではないんです。

 ですから、司法試験の勉強をするにあたっては、何か一つ自分の足場となる基本書を1つ定めて、それを丁寧に読み込んでほしいと思います。ただ、受験生の中には基本書を読むという作業が嫌いな人が多いのか、論証フォーム集ばかり覚えるとか、答練の模範答案を暗記するとかに終始してしまう人がいる。それでもある程度は対応できるけど、毎年の本試験の問題には必ずそういう勉強では対応しきれないような問題がいくつか含まれていて、手に負えないこともあります。そうするとまた別の答練の問題を集めに走ったり、論証フォーム集を買い集めたりするハメになる。それはまさにイタチごっこのようなものです。
 ですからやはり、基本書を読んでほしい。必要な知識はすべて基本書に載っていると言ってもよいでしょう。

 受験生の方の心配としては、(1)基本書は読むのが面倒だ、(2)基本書は論証の理由付けがあまり詳しくないので答案に使えない、(3)基本書を読んで理解できるかどうか不安だ、といったところにあるのではないでしょうか。
 しかし、(1)は、際限なく答練や論証フォームを暗記するのに比べればはるかに楽です。
 (2)については、論文試験には詳しい論証が必要ということこそ実は迷信のようなもので、実は基本書レベルの説明ができれば充分なのです。私も、論文試験では、判例や通説はほとんど理由付けもなしに書いておりました。 (3)については、大学や司法試験予備校の講義を利用してもらえれば(できれば私の講義に)、と思います。講義を聴いて、もちろんそれだけではなくて自分でしっかり復習して読み込んで、地道に理解を進めていくことが重要です。講義を聴きながら1回読んで、さらに2回、3回と読み返すことで、理解は飛躍的に高まること請け合いです。一回読んでわからないとすぐ他の本に走る方もいますが、それだと結局、どの本も中途半端な理解に終わってしまいますよ。

その1





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